電力自由化始まる。飲食店が選ぶべき電気の料金プランとは?

最終更新日: 2019/01/02
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2016年4月から、電力の小売りが自由化され、企業や一般家庭はそれぞれ電気を購入する電力会社を選ぶことができるようになりました。電力を売る企業も、大手電力会社のみならず新規参入によってガス会社、家電メーカー、携帯会社など多岐にわたります。

電力の自由化は企業の競争を促進させ、選択する料金プランによっては電気料金が下がることが期待されます。そしてこれは、電力を使う量が多く、コストカットが重要な企業にとって朗報です。飲食店はお店によって形態がさまざまなため、しっかりと合った料金メニューを選ぶことでコストカットが期待されます。

そこで今回は、電力自由化の考えられるメリット・デメリットと、おもに飲食店オーナーがチェックしておくべきポイントを解説します。

電力自由化のメリット・デメリットは?

まずは、電力自由化の概要をおさらいしておきましょう。私たちはいままで購入先の電力会社を選べませんでした(いわゆる地域独占)。これが、2016年4月から自由に選べるようになりました。電力会社は消費者から自社の電気を買ってもらうため、夜間の電気使用料金を下げるメニューの作成、ほかのサービスとのセット販売やポイント増加キャンペーンなど、さまざまなプランを売りだしています。

このように、消費者からするとライフスタイルに合った料金プランの選択や、他サービスとの併用によるメリットがあります。

一方デメリットは、さまざまな企業が新規参入しても、競争の結果その電力供給企業が倒産・破綻してしまって電力が供給されなくなる可能性があります。するとまた次の電力会社を選ばないといけません。また、自由化の影響によって競争が過剰になり、極端なコストカットによって整備に不具合が生じて停電が起こることも考えられます。

もっとも、このようなデメリットに関して政府は、電力自由化にあたり、仮に企業が電力の市場から撤退する場合でも継続して電力が供給されるフォロー制度の導入を進めています。さらに、健全な経営が期待できると認められた会社のみにライセンスを配布して経営の許可を与えるなど、消費者に不利益がない制度づくりを進めています。

電気設備の種類は?

 

電気にはV(ボルト)とA(アンペア)という単位が使われています。

この2つを詳しく見ていきましょう。

V=電気を押し出す力

A=電気の流れる量

となります。

一般的な家庭だと100Vで30~50Aとなっています。

ただ、最近では高性能な電気器具が販売されていることもあって、100Vでは不十分で200Vに変更する家庭も増えてきているようです。

でも、ここにデメリットも存在しており、昭和の時期の建物だったりすると100Vのみが使用できて200Vに対応していません。加えて電流に関しても30Aが上限となっているので、電気器具の自由がないわけです。

これが飲食店の場合になってくると昭和の時期の建物だと最新の冷暖房器具が使えなかったり、いくつかの電気機器の電源を入れるとブレーカーが落ちてしまう事態になりますので、飲食店を営む場合は昭和の時期の建物は避けましょう。

ただ昭和の時期の建物でも単相2線式配線ではなく、平成の主流となっている単相3線式配線に工事が行われている場合は問題がありません。

さて、この単相3線式配線ですが、これは2線式配線と異なっており、設備自体は100Vでありながらも、200Vの利用も可能となっています。その為、容量の大金亜電気製品でも難なく使うことができるようになっています。

ちょっと豆知識

この2線式配線と3線式配線ですが、どうやって見分ければ良いのでしょうか。電機会社に電話をすれば1発で分かりますが、わざわざ電話をしなくても自分で簡単に見分ける方法があります。

チェックするのは屋外にある電力量計。

ここに…

『交流単相○線式』

と書かれており、ここが2であれば2線式、3であれば3線式となります。

知っ得!飲食店のための安い料金プランの種類について

電気料金には「基本料金」と「電気料金」の2つがあります。

基本料金は、電気を使っても使わなくても発生するもので、電気料金は使った分だけ発生するわけです。さきほど、3線式であれば、あらゆる電気機器に対応できると言いましたが、例えば…

三相線式200V。

これは、基本料金が従来の4倍ほどとなっており、電気機器の使用頻度が低かったりすると、割高になってしまいます。

電気機器をそんなに使わないような飲食店であれば、100Vで十分と言えるでしょう。

ただ、これが全くの逆でこういった電気機器を常に使っているような状態であれば、基本料金が高くても、電気を送り込む力に秀でている200Vであれば、100Vよりも少ない労力で電気機器を動かすことが出来るので、電気代自体は安く済ませることが可能となります。

このように電気料金のプランを選ぶ時は…

・どういった機器を使うのか

・機器の使用頻度

の2つを基準に考えてみましょう。

電気代金シミュレーション

例えば…

エアコン4000W

シロッコファン1000W

を稼働させる場合ですが、合計は5000Wとなります。

これを200Vのプランで考えてみると…

5000W÷200V=25A

となります。

100Vの契約だった場合は、

5000W÷100V=50A

と2倍。

電気料金の仕組みは、電流の大きさが上がる程に高くなる仕組みですので、この場合は50Aだと割高になることが分かりますね。つまり、200V契約にすることで基本料金はあがるものの、利用頻度に応じて変動する使用料を大きく減らすことができるわけです。

ただ、先ほどもお伝えした通り200Vになってくると基本料金が従来よりもかなりUPしてしまいます。その為、電気機器の使用頻度が少ないような飲食店であれば、お得と思ってやったことが、却って無駄な経費を生む要因にもなるのでくれぐれも注意して下さい。

Q 電気プランの変更に関する工事費は?

プランを変更する場合ですが、時には工事が必要になってきます。基本的には電力会社が負担してくれるのですが、一部、使用者が工事費を負担しなければいけない部分もあります。電気プランを変更する際は「工事費はいくらになるのか」といったことも事前に確認しておくことをお勧めします。

ただ、電気工事費用を負担する場合においても、それほど大きな金額にはならないので安心して下さい。ただ、少なからず手出しはでますので、プラン変更を考える際は…

・今のプランで本当に損をしているのか?

・プランを変更することで毎月いくら電気代金が安くなるのか?

ということとシミュレーションすることをお勧めします。

そうすることによって、電気料金自由化の恩恵を存分に受けられることでしょう。

新電力会社の失敗しない選び方のポイント

電気プランを変更すれば、電気代を節約できる可能性があるのですが、実は、この変更がかえって電気代を高くしてしまう恐れがあります。変更の前に電力会社の選び方のポイントを押さえておきましょう。

供給エリア内になっているのか?

大手電力会社であれば、日本全国に電気の供給を行っているのが一般的ではありますが、それ以外の会社になってくると一部のエリアしかサービスを提供していない場合もあります。店舗の住所に利用したい電力会社がサービス提供しているかは事前に確認するようにしましょう。

電力供給は安定しているのか?

新電力会社になってくると、実績ある会社に比べて「サービスの質」が不十分だったりします。その為、電力の供給が安定しておらず、度々トラブルが起こる可能性も決して0ではありません。その会社の実績や評判は要確認です。

発電方法に問題はないか?

一口に電気といっても発電方法は電子力や石油など様々です。「発電は電子力じゃないと嫌だ!」といったこだわりがある場合は、必ず発電方法を確認するようにしましょう。中には、環境に優しくない電力発電もあり、それが店の悪評に繋がるケースも0ではありません。

料金プランの比較は必須項目!

電力会社の変更を行い場合は、変更先を2~3候補にあげて、料金プランの比較を行うことをお勧めします。発電方法やサービスが大差なくても、特典や料金で大きな差が出ることもあります。

新電力会社に切り替えた時に期待できる節約できる電気代は?

お勧めの新電力会社に乗り換えた場合、飲食店側は一体どれくらいの電気代の節約に繋がるのかについて参考程度に情報を掲載しておきます。

Looopでんき【年間約10万円お得!】

Looopでんきは太陽光などの再生可能エネルギーを使った発電が特徴となっています。供給する電力の1/4が自然エネルギーとなっており、東京電力などと比較した場合、年間10万円近い電気代の節約が可能となっています。

さらに、この会社は電力の安定にも定評があるので、契約後のトラブルに関してもほとんど心配する必要はないでしょう。

ENEOSでんき【年間約10万円お得!】

ガソリンスタンドで有名なENEOSの電力提供サービスですが、ENEOSは10年以上も一部オフィスなどに対して電力提供を行ってきた実績があります。定期的にキャンペーンを行っているので、そのタイミングで加入することでかなり電気代を節約することもできます。

東京ガス【年間約9万円お得】【セットメニューが嬉しい!】

大手東京瓦斯のサービスで、天然ガスを中心に電力発電を行っています。この会社はインターネット回線までセット割が適用されるなど、電気以外の部分でのサービスが魅力的です。

他にも新電力会社はありますが、節約できる金額が大きいのが上記3つの会社となります。これらの会社にで変更すれば、今よりお得に電気を使うことができるので、ぜひ、一度検討してみて下さい。

飲食店はなにをすればいい?

それでは、飲食店はこの環境の変化にどのように対応すればいいのでしょうか。

飲食店にとって電気代の負担は大きく、今回の電力自由化は契約先とプランを変えるだけで電気代が安くなる可能性があるわけですから、活用しない手はありません。例えばガスと電気のセット割、電気・ガス・光インターネットのセットなど、店舗とってメリットのありそうなプランを検討してみてはどうでしょうか。そうすれば電気料金だけでなく、他のサービス費用もコストダウンできるかもしれません。

東京ガスのサイトでは、年間の電気料金が72万円のそば屋が東京ガスのガスと電気のセット割のプランを使用することで年間54,800円節約できるモデルケースを紹介しています。

営業時間が長い店舗では、営業時間に比例して電気機器(照明など)と動力機器(エアコン、大型冷蔵庫など)の稼働率が高くなります。その場合は従量電灯※1(使用量によって料金が異なる)と低圧電力※2(エアコンなどを動かす電力)が加味された料金プランを選ぶことをおすすめします。
※1,※2 名称は電力会社によって異なります

次に深夜の営業時間が長い場合ですが、夜間の電気使用量の割合が高くなるほどお得なるプランがおすすめです。昼間の料金は夜間に比べて高めですが、夜間(夜間時間帯は各電力会社やプランによって異なります)は電気料金が割安になります。開店・閉店時間にもよりますが、深夜の営業時間が長い場合は検討してみてはどうでしょうか。

これらはあくまで一例です。自分の店舗はどのプランが適しているのかを調べるには、お店の電気消費量を詳細に見てシミュレーションをする必要がありますので、電力会社に問い合わせる必要があります。

プラン変更の手続きはどうしたらいい?

切り替え先が決まったら、その電力会社(新電力)に問い合わせをして申し込みを進めることをおすすめします。その際、今契約している電力会社から毎月もらう「検針票」(電気料金が書いてある紙)があるとスムーズに手続きできるので、用意しておきましょう(1ヶ月分だけでも構いません)。他社との料金やプランの比較をすることができず、本当にお店に適した電力会社なのか検証する事はできない場合は、電力比較サイトもあるので参考にしてください。

なお、今まで使っていた電力会社に自分で連絡する必要はありません。新電力から手続きをしてもらえます。

まとめ

電力会社を変更しない場合は、従来どおりの電力会社から供給を受けられるので心配する必要はありません。また、他の電力会社へ切り替えたから自動的に電気料金が下がると思っている人は多いかもしれませんが、お店の電力の使い方と時間帯、料金プランを正しく理解していないと必ずしも下がるとは限りません。電力会社によって料金やセット販売、時間帯プランといったサービスのラインアップは異なります。

電力会社切り替えを検討している経営者は、費用削減になるかどうかしっかり確認・検討し、店舗に合った料金プランを選ぶようにしましょう。

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