「デカ盛り」でも利益が出る?経営が成り立つ仕組みを教えます

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近年、テレビやインターネットで「デカ盛り」という言葉を多く耳にするようになりました。

お皿からはみ出るほどの圧倒的な量と、思わず写真を撮りたくなるような見た目のデカ盛り料理は、若い世代を中心に人気を集めています。

しかし、あまりの量にお店の採算が取れないのではないかと思う方も多いでしょう。

そこで今回は売れるデカ盛りメニューの特徴や、デカ盛りで利益が出る仕組みについてご紹介します。

売れるデカ盛りメニューに必要な条件

デカ盛りメニューを出せば必ず売れる、ということはありません。デカ盛りの中にも売れるメニューとそうでないものがあります。

そこでここからは、人気のデカ盛りメニューに共通する条件をご紹介します。デカ盛りに必要なこととは一体何なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

写真映えする見た目

売れるデカ盛りの第一条件は、何よりもインパクトのある見た目です。通常では考えられないようなダイナミックさや意外性がお客様の目を引きます。

例えば金魚鉢いっぱいに盛られたパフェや、プレートからはみ出すほど大きなステーキが出てくるとお客様は驚き、思わずカメラを構えてしまうでしょう。デカ盛りにはそのような見た目のインパクトが重要です。

そして、カメラを通してもそのダイナミックさやインパクトが伝わるようなメニューだとなお良いでしょう。

食べきれないくらいの量

デカ盛りという名を付ける以上、誰もが驚くような量でなくてはなりません。中途半端に多い大盛りレベルのメニューではインパクトや話題性に欠けてしまいます。

デカ盛りメニューを考案する時は、食べきれる量かどうか、原価率が高過ぎないかという考えは一度頭から消しましょう。人気のデカ盛りはいずれも、大きさでお客様を圧倒するほどの迫力があります。

また、「総重量○○kg」や「高さ○○cm」といったキャッチコピーを添えることも重要です。このように具体的な数字を含む触れ込みがあると、より大きさが伝わりやすくなります。

「食べてみたい!」と思わせる見た目

デカ盛りメニューは見るだけでなく、食べてもらわなくてはなりません。そのためには「美味しそう」「食べてみたい」と感じてもらえるような見た目も重要です。

例えば「マウンテン天丼」が良い例です。その名の通りあらゆる種類の天ぷらが山のように積み重なっていますが、単に積み重なっているだけではなく、バランス良く美しく盛り付けられています。初めて見た際のインパクトを損なうことなく、食欲も湧く見た目です。

このようにデカ盛りメニューは、盛り付けや彩りといった見せ方にも工夫が必要です。

デカ盛りブームの歴史

実は、デカ盛りのブームは今に始まったものではありません。デカ盛りの発祥は2000年代から、さらにそのルーツとなる大食いの文化はなんと、江戸時代からあるとされています。

ではなぜ人はデカ盛りや大食いに惹かれるのでしょうか。ここからはデカ盛りや大食いの歴史を遡りながら、その魅力に迫ります。

2007年発売の「メガマック」が発祥

実はデカ盛りメニューの発祥は、かの有名なハンバーガーショップ「マクドナルド」といわれています。デカ盛りの先駆けとなったのは、「メガマック」というメニューです。

当時、1つのハンバーガーに4枚ものパテを入れるのは非常に斬新な試みでした。この試みは大当たりし、メガマックはあっという間に話題のメニューとなり、人気に火が付いたのです。それを受けて、牛丼やインスタント麺などあらゆる食べ物でデカ盛りが販売され始めました。

「大食い」の文化は江戸時代から

デカ盛りと切っても切り離せない関係にあるのが、「大食い」です。実は大食いへの人気は、デカ盛りブームが始まるはるか昔から日本に根付いていました。遡ること200年余り、なんと大食いは江戸時代から存在していたのです。1817年には「大食の会」という、大食い競争の大会が開かれた記録が残っています。

その文化は脈々と受け継がれ、1989年に放送開始したテレビ番組「TVチャンピオン」では大食い選手権と称したコーナーが人気を博しました。

デカ盛りの魅力は「見る」ことにあり

このように、日本では昔から大食いやデカ盛りに対する人気が根強くあるようです。では何故こうしたものに、人は惹かれるのでしょうか。

その理由の1つが、「イベント性」です。一般的な食事とデカ盛りの大食いの違いは、見る人がいるかどうかといえます。デカ盛りは大きさを見て楽しんだうえで、それを完食するというイベント性があります。

つまりただ食べるだけではなく、目で見ても楽しめるのがデカ盛りなのです。さらに物珍しさも相まって、興味をそそられる人が多いと考えられます。

原価率70%超えのデカ盛りでも経営が成り立つ理由

ここまでは魅力的なデカ盛りの特徴についてお話しました。しかし、魅力的であればあるほど、デカ盛りメニューの原価率は高くなる傾向にあります。

一般的に飲食店が利益を出すための原価率は30%前後とされています。しかし、人気のデカ盛りメニューの中には原価率が70%を越えるものも少なくありません。

それにも関わらず、人気のデカ盛りの提供店が赤字にならないのは何故なのでしょうか。ここからは本記事のメインテーマでもある「原価率の高いデカ盛りメニューで経営が成り立つ仕組み」についてご紹介します。

広告費のかからない口コミによる集客

デカ盛りは、その話題性が利益に直結します。人気のデカ盛りは見た目のインパクトや珍しさが特徴のため、当然食べる人も思わず写真を撮ってしまいます。そしてその写真をSNSに掲載することで、より多くの人の関心を集めるのです。この拡散が連鎖すれば、広告を出さなくてもあっという間に知名度が上がるでしょう。そしてそれに伴い、来店者数の増加も期待できます。

さらにデカ盛りを数量限定にすることで、付加価値として「プレミア感」を訴求できます。「今しか食べられない!」という思いから、多くのお客様が訪れるでしょう。

原価率の高いメニューでリピーターを生む

人気のデカ盛りメニューの中には、なんと原価率100%を越えるものも存在します。単純に考えれば赤字です。しかしそれでも利益が出ているのは、デカ盛りメニューがリピーターを生んでいるからです。

安い食材でかさましをしただけのデカ盛りメニューでは、食べる人もがっかりしてしまいます。そこであえて原価率を無視し、量や質に対して圧倒的にお得に感じられるデカ盛りメニューを提供し、お客様の満足度を高めるのです。

「コスパが良い」とお客様に感じてもらえれば、デカ盛りメニューの無い時でもリピートしてもらえる確率が高くなります。デカ盛りの売り上げだけを考えた際は赤字でも、リピーターを増やしてその他のメニューを頼んでもらうことで採算がとれるという仕組みです。

回転率を高くすることで利益を出す

デカ盛りメニューを提供する場合、回転率を上げる必要があります。原価率が高いデカ盛りメニューは、当然ながら利益率が悪い商品です。利益を上げるためには、提供数を増やす必要があります。

「薄利多売」の考え方です。デカ盛りメニューの完食をタイムアタック制にするなどの工夫をして、回転率を上げることで利益を出すことができます。

デカ盛りに必要なのは量だけではない

ここまで売れるデカ盛りの条件や、利益が出る仕組みについてご説明してきました。これらを押さえておくことで、利益の出るデカ盛りメニューを考案しやすくなるでしょう。

しかし、いくらこれらの条件を満たしていても、他店の二番煎じのようなメニューでは店の信頼を落としてしまいかねません。デカ盛りを売り出すなら、唯一無二のオリジナリティあふれるメニューを開発しましょう。

そこで最後に、オリジナリティあふれるデカ盛りメニューを考案するポイントをご説明します。ぜひこれらをヒントに、ご自身のお店らしいこだわりの1品を考案してください。

質にもこだわったメニューづくりをする

量のインパクトが大きいデカ盛りメニューは、すでに星の数ほどあります。そのため、他のデカ盛りメニューと差別化するには大きさ以外の付加価値が重要です。

しかし原価が高いという性質上、安さを売りにするのは難しいでしょう。そこで着目すべきポイントが「質」です。

例えば「デカ盛りなのにヘルシー」といったキャッチコピーのデカ盛りがあったらどうでしょうか。量や料金ではない、新たな土俵で人気を獲得することができます。

また、通常はデカ盛りメニューを頼まないような女性もターゲットにすることができます。このようにデカ盛りは単に量があれば良いというわけではなく、質にもこだわることが大切です。

デカ盛りを食べることの楽しさを考慮する

デカ盛りメニューは食事としてではなく、一種のイベントとして捉えているお客様が大半です。多くのお客様は、写真を撮りながら、またはその多さに苦戦しながら食べること自体を「楽しい」と感じています。

デカ盛りメニューを提供する際は、このようなイベント性を損なわないようにしなくてはなりません。

例えば回転率を上げようとするあまり、1組ごとの滞在時間が極端に短くなってしまうと、お客様の満足度は下がります。

また、時間が経つと溶けるアイスやかき氷、伸びてしまう麺類は、デカ盛りに適しません。楽しみながら食べてもらう工夫を忘れないようにしましょう。

まとめ

デカ盛りはお店の宣伝材料として大きな役割を果たしてくれます。

しかし、量だけがたっぷりとあって味はおいしくないメニューや、安い食材ばかりを使用していて質が悪いメニューでは、リピーターはつかず却ってお店の評判が落ちてしまいます。デカ盛りメニューを考える際には、味や質にもしっかりとこだわることが大切です。

食べる人のことを考え、おいしさとお得感の両方を味わえるようなメニューを作りましょう。

今回ご紹介した内容をふまえれば、デカ盛りで大きな利益を出すことも夢ではありません。ぜひ飲食店経営のご参考にしてください。