CSR活動で紙ストローを導入!CSR活動における大手企業の動きについて詳しく解説

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three hand holding young tree for planting. nurture Environmental concept

レジ袋の有料化が話題となっている背景には、プラスチックごみがもたらす環境汚染があります。

このような事態を受け、環境保護に向けて動いているのはボランティア団体だけはありません。実は名だたる企業も、積極的に環境保護に取り組んでいるのです。このように企業が行う社会貢献を「CSR」と呼びます。

特に多く取り組まれているのが「プラスチック削減」を目的としたCSR活動です。なかでも消費者にとって身近なアイテムである「プラスチックストロー」を「紙ストロー」へと変更するといった動きが、大手企業の間で目立っています。

そこでこの記事では、企業のプラスチック削減に向けたCSR活動の事情について詳しく解説していきます。

日本におけるプラスチックごみの問題

日本におけるプラスチックごみの排出量はなんと、世界第2位の多さを誇っています。この事実は国民にあまり知られていません。

2018年6月付のUNEP(国連環境計画)の報告書によれば、日本では1人あたり32kgのプラスチックごみを排出していることが分かっています。世界中で海洋プラスチックの流出による環境破壊が問題視されている中で、これは由々しき事態です。

また、日本におけるプラスチックごみは、全て国内で処理されているわけではありません。一部は処理コストの安い発展途上国へと輸出されています。

こうして輸出されたごみは海に流されたり、埋め立てられたりすることで廃棄したとされることがしばしばあります。つまり、分解やリサイクルをされずそのまま放棄されるケースがあるのです。このような現状が無数の海洋プラスチックごみを生み出しています。

この問題を受け、日本を含む世界各国の企業はCSRに積極的に取り組んでいます。

CSRとは?

CSRは、Corporate Social Responsibilityという言葉の略称です。Corporate Social Responsibilityは、和訳すると「企業の社会的責任」という意味があります。

CSRとは、企業が経営を行うにあたり全うすべき社会的責任のことを指す言葉です。この社会的責任とは、消費者・従業員・取引先などあらゆる方面に対する責任のことで、当然ここには環境に対する責任も含まれます。

つまりCSRには、「利益だけを追求するのではなく、企業が関わるあらゆるものに対しての社会的責任を負う」といった意味合いが含まれています。

大手企業による「紙ストロー」導入の姿勢

プラスチックごみの削減にむけて、多くの大手企業が「紙ストロー」を導入し始めています。ここからは紙ストローを導入するメリットや、現段階での課題についてご紹介します。

紙ストロー導入のメリット

世界的な問題となっているプラスチックごみを減らすために、大手企業はさまざまな取り組みを行っていますが、中でも多くの企業が「紙ストロー」の導入を進めています。

紙ストローは、プラスチック製のストローに代わる紙製のストローです。クラフト紙を用いて作られており、燃えるごみとして処理することができます。従来のプラスチックストローを紙ストローに置き換えることで、プラスチックごみを大幅に減らすことができます。

また、中には生物分解できるプラスチックで作られたストローへの切り替えを進めている企業もあります。しかし、現在の段階では紙ストローへの切り替えを検討する企業の方が多いといえるでしょう。なぜなら、生物分解性のストローといっても完全な分解までには時間がかるため、瞬時にごみとして処理をすることが難しく、プラスチックごみを削減する効果が紙ストローに比べて少ないためです。

一方、紙ストローはプラスチックに比べて地中で分解される速度が非常に速いという特徴があります。もちろん、今後分解性の高いプラスチック素材などの開発が進めば、紙ストローに並んで生物分解性ストローも多く導入されるかもしれません。

紙ストロー導入における課題

現段階における大手企業のCSR活動は試験的なものもの多く、紙ストローの導入が完璧な対策とはいえません。

実際のところ、紙ストローは長く使うとふやけてしまうものがあります。しかし、紙ストローは分厚く作りすぎると、処理した際に分解が進まなくなってしまうという問題があるのです。そのためある程度の薄さを保つ必要があるのですが、消費者から「ふやけて飲み物が飲みにくい」といった声が上がっています。

さらに紙ストローは、従来のプラスチックストローよりも価格が高いというデメリットが挙げられます。相場としてはプラスチックストローが1本あたり約0.8円なのに対し、紙ストローは約9円のコストがかかるとされています。

しかし、今まで通りプラスチックストローを使い続ければ、環境問題に進展はありません。大手企業ではこうした問題への対策も含めて、素材の開発やプラスチックごみ削減への研究を進めています。

大手企業のCSR活動の事例9選

プラスチックごみを削減するには、どのようなことを行えば良いのでしょうか。

ここからは大手企業が実際に取り組んでいるCSR活動の事例をご紹介します。

また、今回ご紹介する内容は日本でも深刻な問題となっているプラスチックごみの削減を目的としたCSR活動です。

紙ストローを導入した事例から従来のプラスチック素材に代わるプラスチック素材の研究事例までご紹介します。飲食店など、プラスチックごみを日常的に排出する業種の方は必見です。

マクドナルド

マクドナルドは2018年に、「2025年までに全世界のマクドナルド店舗でプラスチックストローを廃止し紙ストローに変更、全ての包装紙を再利用できるものに切り替える」と発表しています。

まずはイギリスとアイルランドの店舗から順次切り替えを進めて行くそうで、現在もこの取り組みは進行中です。

もちろんこのCSR活動には日本も含まれており、日本のマクドナルド店舗でも順次紙ストローの導入が進められる予定です。

三井住友海上火災保険

保険会社である三井住友海上火災保険でも、CSR活動が進められています。

三井住友海上火災保険では、社員食堂で使用されるプラスチックストローを紙ストローに切り替える取り組みを進めています。すでに本店ではこの切り替えが済んでおり、最終的には日本国内すべての社員食堂において紙ストローを導入する予定です。

社員食堂を日常的に利用する社員は1万人を超えており、年間96,000本のプラスチックストローの削減につながると見込んでいます。

また、三井住友海上火災保険ではプラスチック以外にもごみそのものの削減に取り組んでいます。例えば契約書類を電子化することにより、紙ごみの排出量を削減するなどといった取り組みが挙げられます。

すかいらーくグループ

すかいらーくグループは、日本の外食チェーンで初めて「プラスチック製ストローの廃止」を発表しました。2019年の6月より、全店舗で使い捨てプラスチックのストローが廃止されています。

現在すかいらーくグループで使用されているストローは、自社オリジナルのリサイクル可能なストローです。これは「バイオマスストロー™」と呼ばれるもので、トウモロコシを主原料に作られています。

また、テイクアウトなどに利用するレジ袋や弁当容器の切り替えも実施されています。これらもストローと同様、使い捨てプラスチックから生物分解性のバイオマス素材のものへと変更されています。

IKEA

IKEAは2018年時点で、商品全体の60%以上に再生可能な素材を使用しており、ほか10%の商品にはリサイクル可能な素材が使われています。

また、2030年までにリサイクル可能または再生可能な素材の使用率を、100%にすることを目標としています。さらに、2020年までにはIKEA全世界の店舗で使い捨てプラスチックの販売や提供を廃止すると宣言しています。

IKEAの店内レストランで使い捨てプラスチックのスプーンやフォークの提供が廃止され、紙ストローなどの再利用が可能な代替素材への切り替えが進む予定です。

さらにIKEAは食品ロスの削減や、自社製品にプラスチックを再利用した素材を多く使用するなどといった取り組みを積極的に行っています。

スターバックス

スターバックスは2020年までに全店舗のプラスチックストローの廃止を発表し、紙ストローが全店で導入されています。

この取り組みが成功すれば、年間10億本以上のプラスチックストローの削減につながります。

また、スターバックスの取り組みはこれだけではありません。店内利用の顧客には、紙でなく陶器のマグカップでドリンクを提供しています。これによりごみそのものの量を削減することができます。

さらにテイクアウトの場合は、顧客が自らカップやタンブラーを持参することで商品価格を20円引きするという取り組みも行っています。このように、顧客も巻き込んだCSR活動はスターバックスならではの取り組みといえるでしょう。

さらに季節ごとにデザインが変わるオリジナルタンブラーの販売も行っており、CSR活動への積極性が感じられます。

日清食品ホールディングス

日清食品では2030年までに自社製品パッケージのうち、99.5%以上をリサイクルできるものへと切り替えることを目標として掲げています。また、プラスチックごみそのものを減らす取り組みも行っています。

例えば冷凍パスタは麺とソースを別々にせず、一緒に冷凍して包装しています。これにより、「ソース」だけのパッケージを削減しています。

また、お菓子やシリアルなどでは小分けのパッケージを減らし、ロットを大きくすることでプラスチックごみの削減を図っています。

LEGO

レゴ社は2015年から従来のプラスチックに代わる、環境に優しい材料の開発に取り組んでいました。

この開発への投資はおよそ10億ドルにも及び、開発には約100名の人員が割り当てられました。

そして2018年に発表されたのが、レゴ社独自の「バイオプラスチック」です。この材料はプラスチックでありながらサトウキビという植物を主原料としており、再利用できます。

この材料はレゴブロックの「葉」や「茂み」を再現するパーツに利用されるとのことです。

そして最終的には全てのブロックをこうした再利用できる、環境に優しい素材へと切り替えることを目標としています。

花王

花王では複数の取り組みにより、CSR活動が進められています。

例えば洗剤などといった消費財のパッケージのコンパクト化です。洗剤や柔軟剤のボトルそのものを小さくすることで、プラスチックの使用料を減らしています。

また、詰め替え商品の推奨もプラスチック削減に向けた取り組みの1つです。毎回ボトルのシャンプーやリンスを購入するのではなく、ゴミの少ない詰め替え用を販売促進することでプラスチックごみの削減に取り組んでいます。

また、詰め替え用のパッケージと同程度までプラスチック使用量を減らした新パッケージの開発を行っています。無駄なく使える本体容器でありながら、プラスチックごみを減らせるという画期的な商品です。

さらに、以前花王ではスクラブ剤などに「マイクロプラスチック」と呼ばれるプラスチック素材を使用していることが話題となりました。しかしこの材料は2016年までに全て廃止され、現在は一切使用されていません。

資生堂

資生堂は自社で再利用・リサイクル可能な素材の開発を進めています。

2025年までにすべての商品に含まれるプラスチックを、再利用・リサイクル可能な代替素材へと切り替える予定です。

100年以上にわたって培ってきたマテリアルサイエンスのノウハウを活かし、安全性や高品質にこだわった研究開発に力を入れています。

まとめ

企業のプラスチック削減に向けたCSR活動についてご紹介しました。

多かったのは、紙ストローの導入や包装資材をリサイクル可能なものへ切り替えるといった取り組みです。こうした取り組みなら、中小企業でも気軽に導入できるでしょう。

今や企業をはじめとする社会全体が、一体となって環境について考える時代です。些細な取り組みでも、自社にできることから始めてみてはいかがでしょうか。