カフェの経理は自分でやるべき?楽にできるクラウド会計とは

開業・経営

経理資料

カフェを開業するときは、内装やメニュー作りなど表向きのことばかりに力を注ぎがちです。しかし、オープンすればすぐにお金が動き出しますから、入出金を管理する経理の準備も怠るわけにはいきません。

経理は税理士に一任する方法もありますが、コストがかかるため、最近はインターネット上で経理業務を行うクラウド会計を導入する経営者が増えています。そこで今回は、数ある会計ソフトの中から、経理知識のない方でも楽に操作できるクラウド会計ソフトをご紹介しましょう。

カフェでの経理とは?

計算するカフェ店員

カフェを開業したら、何をいくら仕入れて、いくら売り上げて、差引きいくらかを常に把握しておく必要があります。もし、仕入も売上もあいまいで、必要なお金はそのつど売上から出すといったどんぶり勘定では、忙しい思いをした割には儲けが少ないという結果になってしまいます。

カフェをビジネスとして始めた以上は、収益を上げることが第一目標です。そのためには、出金と入金を管理するための帳簿を作成しなければなりません。

帳簿には、仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、仕入帳、売上帳などいろいろな種類がありますが、現金商売を基本とする飲食店では現金出納帳がよく使われています。

現金出納帳には、その日の収入額(売上)と、支払額(コーヒー豆や食材、消耗品などにかかった費用)を記帳し、差引き残高がわかるようにしておきます。毎月支払う固定費(家賃、減価償却費、スタッフを雇っていれば人件費など)は月に1回記帳します。

こうしてお金の動きがリアルタイムでわかるようにしておくことで、今ある資金を設備投資や人材採用などに回す計画を立てやすくなります。反対に業績が悪化して資金が不足してきたときは、どの経費を削減すべきか、どこを改善すべきかがわかり、迅速に対応することができます。

カフェの経営者の中には、忙しいので経理は税理士に丸投げ状態という方もいますが、売上が低迷してから問題点に気づいても遅すぎます。経営にはスピードが求められますから、せめて現金出納帳の見方や記入のしかた程度の経理知識は身に着けておきたいものです。

経理業務をしっかりやっておく理由

経理業務をする女性

経理業務(帳簿作成)を行う理由は、前述したように「入出金の管理」をするためともう1つあります。それは、個人で事業を始めたら税務署に確定申告をすることになりますが、その際に帳簿の作成と保存が義務づけられているからです。

確定申告には「白色申告」と「青色申告」があり、これまで白色申告は事業所得が300万円未満の場合は帳簿は不要とされていましたが、2014年から事業所得や不動産所得があって白色申告を行う人はすべて帳簿作成が義務化されました。帳簿には規定がなく、必要事項を記帳すれば書式は自由です。

青色申告をする場合は、正式な簿記(複式簿記)によって帳簿を作成し、それに基づいて「貸借対照表」と「損益計算書」を作成して決算書に添付しなければなりません。白色に比べるとかなり難しいですが、そのかわり下記のような特典が設けられています。

  • 最高65万円の青色申告特別控除が適用される
  • 事業に従事している家族に対する給与は、必要経費にできる
  • 減価償却費を1年で300万円まで一括計上できる
  • 赤字損失分を3年間繰り越しできる

このように節税効果も得られることから、事業を始めた当初は白色申告を行い、経営が軌道に乗ってきたら青色申告に変えるというケースが多く見られます。

カフェの経理が楽チン?クラウド会計ソフトとは

クラウド会計イメージ

白色申告をする際の帳簿には、売上などの収入金額、仕入や経費などの支払額、取引の年月日、相手方の名称などを記載しなければなりません。かつてはこうした経理作業は仕入伝票や入金伝票から帳簿に手作業で転記していたわけですが、会計ソフトが開発されると、紙の帳簿は電子化されてデータ保存ができるようになりました。

会計ソフトも年々改良され、最新のクラウド会計ソフトは、売上、支払、経費精算、請求、債権債務管理など経理業務に必要なツールがそろっているので、作業が楽になるのはもちろん、ミスの発生も大幅に減らすことができるようになりました。ベテランの経理担当者がこれまで1週間かかっていた経理作業が、入力が最初の1回ですむようになったことで2日間に短縮できたという例もあります。

青色申告に用いる帳簿もクラウド会計で容易に作成することができます。また、経営者にとって節税対策は重要な課題ですが、最も効率のよい方法が青色申告です。年収が103万円を超えたら青色申告に変えるタイミングといわれます。103万円は、だれでも適用される基礎控除38万円と青色申告特別控除65万円の合計額で、これを超えると最大限の恩恵を受けられる、つまりそれだけ税金が少なくなるからです。

カフェ経営者におすすめのクラウド会計サービス

おすすめクラウド会計

クラウド会計のクラウドとは、「雲」のことで、インターネットを通じて各種のサービスを受けられるシステムを指します。

初期の会計ソフトは、ソフトウエアを購入してパソコンにインストールするタイプですが、新型のクラウド会計ソフトは、ソフトウエアは必要なく、サービス提供会社に使用料を支払い、インターネット経由で会計ソフトを借りるシステムになっています。パソコンだけでなくスマホでも利用できます。

クラウド会計の場合は、会計データがパソコン本体ではなく、クラウドサーバー上にバックアップされるしくみなので、自分のパソコンに不具合が生じたときでもデータを失う恐れはありません。

また、税法が改正されたときでも、クラウド会計は自動的にバージョンアップするため、自分でソフトの更新をする必要がありません。

このようにメリットが多いことから、飲食業界でもクラウド会計ソフトが主流になっています。以下にクラウド会計ソフトで人気の高い商品をあげてみますので参考にしてください。(金額はすべて税抜き)

やよいの白色申告オンライン

白色申告の記帳義務化に対応し、日々の取引入力も確定申告の書類作成もこれ1本でできるようになりました。銀行明細、クレジットカードなどの取引データや領収書のスキャンデータなどを自動仕訳するので、入力と仕訳の手間が省けます。

 料金プラン

  • セルフプラン……1年間無料。次年度は8,000円。
  • ベーシックプラン……1年間6,000円(電話、チャット、メールでのサポートつき)。次年度は12,000円。どちらも確定申告が無料で作成できる。

MFクラウド確定申告

税務や申告についてわからないときは、MFクラウド会計・確定申告の使い方を熟知した税理士を無料で紹介してもらえます。他社の会計ソフトからの移行にも対応しているので、移行によるストレスを感じることなく利用できます。

料金プラン

  • フリープラン……仕訳件数が年間50件まで無料
  • ベーシックプラン……1か月800円。1年8,800円(メールやチャットでのサポートつき)
  • 安心電話サポート付きベーシックプラン……1年17,200円(確定申告が不安な方や不明点を早く解明したい方が対象)

freee

「複式簿記の知識がなくても簡単に経理ができる」というコンセプトでよく知られている会計ソフトです。会計ソフトの定番機能のほかに、請求書作成および送付代行の機能が無料で使えるようになっています。給与計算機能もありますが、これは有料です。

料金プラン

  • スターター……1か月980円。1年9,800円(メール、チャット、電話サポートつき)
  • スタンダード……1か月1,980円。1年19,800円(同上)

HANJO会計

飲食店の経理に特化したソフトです。日報で現在と過去の資産状況がわかるので、改善のヒントをつかむことができます。専用コールセンターが設けられており、導入に関する問い合わせから操作に関する相談まで応じてもらえます。書類などの提出日が近づいてくると知らせてくれる「やることNAVI」がついているのも特徴です。

料金プラン

  • 無料プラン……登録の1か月後までほとんどの会計機能を無料で使用できる
  • 有料プラン……1か月980円(専用のコールセンターによるサポートつき)

ネットde記帳

商工会が行っている記帳機械化事業の標準システムとして、全国38県で「ネットde記帳」が導入されています。商工会において操作方法などのサポートが受けることができます。経営者にとって身近な存在である商工会で記帳や申告について指導も受けられるとあって利用者が増えています。

料金プラン

  • 1年間で30,000円。申込みは地元の商工会を通してのみ。

このほかにも各社からクラウド会計ソフトが提供されています。選ぶ際のポイントとしては、多機能で高額なものは避けることです。いろいろな機能がついていれば便利ですが、それだけ料金が高くなりますし、使い切れなければ経費の無駄になります。最初はシンプルなものにして、使い慣れるにしたがって高機能のソフトに切り替えていくといいでしょう。

まとめ

計算する女性

いかがでしょうか?

飲食店の経理の仕事は、簡単に言えば、「入ってきたお金と出て行ったお金を毎日帳簿につけて、年に1回確定申告をする」ことです。しかし、目的は確定申告ではなく、日々のお金の動きを知ることにあります。税理士に一任すれば、経営者が帳簿に目を通すのは1か月に1回程度です。しかもそれは前月のお金の動きですから、今、資金不足に気づいたとしても適切な手を打つことは難しくなります。

そんなことにならないためにも会計ソフトを導入して自分で操作し、お金の流れをリアルタイムで把握するように努めましょう。

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