カフェ開業に必要な資格や届け出とは?必須なもの、あると良いもの一覧

カフェ

開店前のカフェ

性別や年齢を問わず、自分の好みを反映させた素敵なカフェを開業したいという夢を持っている人も多いのではないでしょうか。しかし、カフェ開業を趣味の延長で考え、自分が外に出て写生をするのと同じように、自由で簡単にできるものではないのも事実です。

お金をもらって不特定多数の人に飲食物を提供する以上、衛生や防災上の備えはきちんとしておかなければなりません。そのために必要な資格をとり、同時にそれらができているということを行政に届け出て許可を取る必要もあります。

そこで今回は、カフェを開業、経営するうえで必要な資格や届け出についてご紹介します。

カフェを開業するのに必要な資格・届け出とその取得方法

マークシートへの記入

<カフェの開業に必要な資格>

必要な資格・届け出

取得方法

飲食店営業許可

店舗が完成する10日前までに、管轄の保健所に申請を行う。

必要書類:営業許可申請書、店やキッチンの間取り図、資格証明書、申請料(約1万円ほど)。

防火管理者選任届

防火管理者の有資格者でも、店舗の開業日までに管轄の消防署に防火管理者選任届を届け出る必要がある。(この申請を行う必要があるのは、収容人数が30人を超える店舗のみ)。

防火対象物使用開始届

店舗の規模などで申請の要、不要が変わってくるため、管轄の消防署に問い合わせが必要。もし必要な場合、開業の7日前までに、防火対象物使用開始届出書、店舗近辺の地図、消防用設備が記入された店舗の平面図・立体図・断面図、建物の仕上げ表などを揃え、届け出る。内装を業者に頼んでいる場合は、内装業者が代行可能かも要確認。

火を使用する設備等の設置届

火を使用する設備を設置する場合に必要な届け出。IHではなく火でお湯などを沸かす場合は、届け出が必要。1つのキッチンで使用する設備の電力合計が350キロワット以上となる場合、届け出なければならない。開業するカフェがこれに該当するかどうか分からなければ、その厨房設備を導入した業者などに確認し、必要であれば設備設置前までに届け出なければならない。

個人事業の開廃業等届出書

確定申告をする上で絶対に必要な届け出。個人で開業する場合は、開業日から1ヶ月以内に管轄の税務署に届け出る。

労災保険の加入手続き

正社員、アルバイト問わず従業員を雇う場合、労災保険に加入する必要がある。これは雇用した日の翌日から10日以内に、管轄の労働基準監督署に届け出る。

雇用保険の加入手続き

従業員を雇う場合、雇用保険にも加入する必要がある。ただし、それがアルバイトやパートなどの場合、以下の2つを満たした時のみに必要となる。

・契約している内容として、1週間の労働時間が20時間以上であること

・31日以上継続して雇用される見込みがあること

上記2つに当てはまる場合は、雇用日の翌日から10日以内に公共職業安定所に届け出なければならない。

深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書

昼間にワインやビールを出すだけであれば必要ないが、深夜12時以降にもアルコール類を提供する場合は、「深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書」を管轄の警察署に、営業開始の10日前までに届け出る必要がある。

カフェですから基本的にはないが、スタッフがお客様の隣に座って水割りを作るなど接待行為を行う場合は、「風俗営業許可」が必要となる。その場合は、営業開始の約2ヶ月前までに届け出る。

カフェ開業に必要な資格の取得方法

「資格」というと、大変な勉強を必要とすると思われるかもしれません。しかし、「食品衛生責任者」と「防火管理者」の資格取得には、大変な労力を必要としません。

では、「食品衛生責任者」と「防火管理者」2つの資格は、どのように取得すれば良いのでしょうか。

食品衛生管理者の取得方法

食品衛生責任者の資格を取得するには、開業を予定しているカフェの場所に当てはまる都道府県が開催している講習会を受講する必要があります。この講習会には卒業試験があるわけではなく、丸1日間の講習をきちんと受けるだけです。ただし、受講料が1万円程度かかります。すでに調理師や栄養士などの免許を持っている人は、食品衛生責任者に必要な知識があるという前提となりますので、講習を受けなくても自動的に取得できます。

防災管理者の取得方法

防火管理者の資格を取るには、管轄の消防署などが開催している講習会の受講をする必要があります。こちらも資格試験などはなく、甲種であれば2日、乙種であれば1日の講義をしっかり受ければ取得できます。ただし、受講料は消防署によって異なります。おおよそ3千円~5千円ほどの金額で受講できるところがほとんどです。

カフェ開業にあると便利な資格とその取得方法

新人への指導

小さなカフェといえども「経営」をし、毎年確定申告をしなければなりません。法律上特に必要ではありませんが、確定申告を毎年行わなければならないことを考慮に入れると、簿記など役立つ資格も可能であれば取得したほうが良いでしょう。

資格

メリット

日商簿記3級

・簿記3級は商業高校卒業レベルでありながら、取得すれば簿記の基礎が身につく

調理師免許

・調理に関する専門知識をひと通りマスターできる

・調理師免許を持っていることを来店客に示し、信頼感が得られる

・仮に、どこかの飲食店に調理人として就職することを考えた場合、有利となる

日商簿記3級

「簿記」とは、毎日の売上、仕入れ、支払いなどを「複式簿記」のルールで分類し、記録していく金銭管理の手法です。簿記には、複式簿記と家計簿のようなイメージの単式簿記がありますが、税金を納める上で優遇される「青色申告」をするためには、複式簿記で金銭管理をする必要があります。そのため、複式簿記のやり方を知っておくほうが良いでしょう。簿記には1級から4級まであります。カフェ経営には、簿記の基礎を習得できる3級の取得が最も適切でしょう。「日商」というのは、簿記の資格を認定している3つの組織の1つで「日本商工会議所」の略です。ほかの団体主催の簿記資格でもかまいませんが、日本ではこれが1番メジャーとされています。ただし、この簿記3級を取得するには試験に合格する必要があります。この試験は年に3回行われており、受験資格は特にありません。合格率は直近で56.1%となっているため、取得を希望する場合はしっかりと勉強して試験に臨みましょう。独学で勉強するのには限界があると感じる人は、簿記の専門学校に通うことも検討しましょう。専門学校に週1回、3ヶ月程度通えば合格ラインに達することができるかもしれません。通学する以外にも、簿記の通信講座も多数ありますので、こちらも検討ください。

調理師免許

料理の基礎を心得ていたほうが、少し凝ったよりレベルの高いメニューを提供できます。カフェの開業に関しては法律で取得が定められた料理に関する資格はありませんので、カフェ専門の料理学校などに通っても良いですし、以下で説明する調理師免許を取得するのでも良いでしょう。

調理師免許の取得方法には、2つのルートがあります。1つは厚生労働大臣が指定した調理師学校に入学し、1年~2年の授業を受けて卒業すること。もう1つは、2年以上飲食店における調理の実務を経験したうえで、調理師試験を受験することです。カフェを経営しながら取得を目指すのであれば、2番目が現実的でしょう。試験を受けた場合の合格率は、直近で61.6%となっています。受験すれば誰もが合格できるわけではないので、しっかりとした準備を持って試験に臨みましょう。

コーヒーを提供するときにあると良い資格

カフェを開業するために、コーヒーの資格は特に必要ありません。しかし、コーヒーに関する資格がある、もしくはコーヒーに関する認定を受けているお店であるなら、他のカフェと差をつけられ、かなりの強みになるでしょう。最近ではコーヒー好きが高じて、お客様の中でもコーヒーの淹れ方やコーヒー豆に関する知識がある人も増えています。カフェに行くならコーヒーの専門家がいるお店でコーヒーを楽しみたいという人も増えています。

コーヒーマイスター

コーヒーマイスターとはコーヒーに対する深い知識と基本的な技術を修得し、認定試験を受けて資格を取ることを指します。日本でもこの資格がある人はそれほど多くありません。

しかし、注意点として、日本スペシャルティコーヒー協会の会員にならなければこの試験をうけられません。しかも会員になるには個人または企業として会員になる必要があります。もし個人で会員になる場合、およそ1~3万円ほど必要になります。

民間団体のカフェ開業コース

民間団体が主催するカフェ開業コースなので費用の面での負担が少なく、コーヒーの知識やコーヒーの抽出技術なども学べます。特にメリットなのが、カフェの開業を重視したコースのため、開業に向けてのノウハウやサポートも受けられます。お店の利益を出す方法や仕入れ方法、コーヒーの焙煎、料理のメニューについてなどどれも役立つものばかりなので、カフェ開業前に受講を検討できます。

JBA認定 バリスタライセンス

専門学校で採用されているバリスタ資格です。主にエスプレッソマシンの使い方などを学ぶため、ドリップの入れ方を極めたい人にはあまり向いていません。またこの資格試験を受けるには、JBA認定のカリキュラムを受けた人、またはカフェで一年以上働いた経験が必要です。

お酒を提供するときに必要な資格

もしカフェでお酒も提供したいと考えている場合、お酒に関する知識があるなら安心して、お酒を提供できます。またお客様に、よりおいしいお酒を提供できるでしょう。最近ではカフェでノンアルコール飲料だけでなく、アルコール飲料を提供しているお店も増えてきています。お店の雰囲気やコンセプトにぴったりのアルコール飲料を研究して、可能ならそれに関する資格を身につけておきたいですね。

ソムリエ

お酒の資格と聞いてすぐに思い浮かぶ資格はソムリエではないでしょうか。試験内容としては、ワインに対する全般知識と実技試験があります。実際ソムリエ試験の合格率は低いので資格を取得するにはかなり大変ですが、もしこの資格があればとても重宝されます。さらに実技試験のないワインエキスパートという資格もあります。また、これよりも簡単に入手できる資格としては、ウイスキー検定があります。

ビアテイスター

日本地ビール協会が実施しているクラフトビールの資格です。これは一日で取得可能な資格です。お店でクラフトビールを提供しているなら、この資格があると有利かもしれません。

バーテンダー

日本ではバーテンダーの資格がなくても、バーテンダーの仕事ができます。しかしこの資格は実務経験が必須です。そのためカフェを開業するにはすぐにこの資格を使用して仕事をすることは難しいかもしれません。しかし、もし経営者がバーテンダーの資格を有していれば、カフェでも他のお店と確実に差をつけられるでしょう。

カクテル検定

これは日本カクテル文化振興会が実施している検定です。筆記のみの試験のため、割と簡単に取得できる資格といえるでしょう。カフェでアルコールを提供する場合、カクテルを扱うお店も多いようです。カクテルは若い女性に人気なアルコール飲料なので、できればこの資格を取得して、オリジナルカクテルを提供してみたいですね。

テキーラマエストロ

カクテル関係で最近人気が出ている資格です。テキーラに関する全般知識やテイスティングについて学習できます。また一日で取得できる資格なので、カフェを開業する前にこの資格を取得しておくこともできるでしょう。幅広いアルコール飲料を提供できると思います。

まとめ

向かい合ったコーヒーカップ

カフェを開業するために多くの資格や届出が必要であることが理解できたと思います。あるものは開業前に、あるものは開業開始から一ヶ月以内に届けをしなければならないものなどさまざまです。

また、コーヒーやお酒を提供する際にあれば重宝される資格についてもご紹介しました。もちろん、こうした資格がなくても開業はできますが、しっかりした知識のあるスタッフがいることでお店の信頼度が高まり、リピーターも増えるでしょう。お店の開業前に検討してみてはいかがでしょうか。