ブランド牛はどれがおすすめ?それぞれの魅力を紹介します

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きれいな霜降り肉

ブランド牛といえば、米沢牛、松坂牛、神戸牛の三大和牛はすぐに挙げられるけれど、それ以外はあまり聞いたことがないという方が少なくないようです。実は、北海道から沖縄まで全国各地に200種以上もあるのです。では、何を基準にブランド牛とするのでしょうか?

今回はブランド牛の定義や、今注目されているブランド牛を紹介していきます。

和牛と国産牛の違い

和牛

ブランド牛の定義に入る前に、「和牛」と「国産牛」の違いについて押さえておきましょう。和牛とは、日本で古くから肥育されていた在来種と外来種を交配して品種改良を重ねてきた牛のことで、次の4種類だけを和牛と呼ぶことができます。

  • 黒毛和種(くろげわしゅ)……霜降り(サシ)が入り、和牛のうまみを堪能できる。肥育地域は日本全国。
  • 褐毛和種(あかげわしゅ)……赤身と脂肪分のバランスがよく、赤身がおいしく感じられる。主な肥育地域は熊本県、高知県
  • 日本短角種(にほんたんかくしゅ)……褐毛和種に近く、脂肪分が少なくて赤身がおいしい。主な肥育地域は北海道、岩手県
  • 無角和種(むかくわしゅ)……赤身が多く、和牛本来の味が特長。主な肥育地域は山口県

一方、国産牛とは、日本国内で肥育された牛で上記以外のものを指します。生まれた地域が海外でも、日本で肥育された期間が長く、日本で加工された牛肉は「国産牛」という表記で販売されます。

乳牛のホルスタインの雄は、乳製品を作り出すことができないため食用肉にされますが、ホルスタインはオランダ原産の外来種のため、日本で生まれたとしても「和牛」を名乗ることはできず、「国産牛」として扱われます。

ブランド牛とは?

牛舎で牧草を食べるブランド牛

ブランド牛は全国に200種以上あり、定義は各肥育地の生産者団体が独自に設けています。生産者団体の定義以外に、日本食肉格付協会が定める「歩留等級」と「肉質等級」を用いてランク付けがなされています。

歩留等級(ぶどまりとうきゅう)

1頭の牛から頭、足、尾、皮、骨、内臓などを取り去った肉を枝肉(えだにく)といいます。歩留等級とは、この枝肉の量に対してどれくらいの部分肉(ヒレ、ロース、サーロイン、モモ、バラなど計13部位)がとれるか、つまり可食率をA、B、Cの3ランクで示したものです。

「A」……72以上。可食部の率が高い

「B」……69以上~72未満。標準値

「C」……69未満。可食部の率が低い

和牛の未経産(まだ子牛を産んでいない)牛はAランクで、和牛以外の肥育牛はBランク、経産牛はCランクといわれています。

肉質等級(にくしつとうきゅう)

肉質等級は、枝肉の切断面から、次の4つの項目について計測し、5等から1等まで格付けするものです。

  • 脂肪交雑(霜降りの状態)
  • 肉の色沢
  • 肉のしまり、きめ
  • 脂肪の色沢と質

5等級が最も肉質がよく、4等級はやや良好、3等級が標準、2等級は標準に準ずる、1等級は肉質が劣るという評価になります。

以上の「歩留等級」と「肉質等級」を合わせた形で格付けがなされます。たとえば、歩留等級がAで肉質等級が5等級の場合は「A5」「A5等級」となります。

ブランド牛の定義の中に「脂肪交雑BMS7」「BMS.8以上」といった表記がされているものがありますが、BMSとはビーフ・マーブリング・スタンダードの略で、脂肪交雑を評価する基準のことです。このBMSは№1~№12まであり、肉質等級に加味して5つの等級にランクづけするものです。

№1は1等級、№2は2等級、№3~№4は3等級、№5~7は4等級、№8~12は5等級となります。

たとえば「A5-12」という表記は、歩留がよく(A)、肉質もよく(5)、和牛の特長であるサシがきれいに入った(12)、最高級の肉であることを示しています。

代表的なブランド牛の定義

霜降りブランド牛

ここで、日本が世界に誇る代表的なブランド牛の定義について見てみましょう。

米沢牛

1.飼育者は、置賜三市五町に居住し米沢牛銘柄推進協議会が認定した者で、登録された牛舎での飼育期間が最も長いものとする。

2.肉牛の種類は、黒毛和種の未経産雌牛とする。

3.米沢牛枝肉市場若しくは東京食肉中央卸売市場に上場されたもの又は米沢市食肉センターでと畜され、公益社団法人日本食肉格付協会の格付けを受けた枝肉とする。但し、米沢牛銘柄推進協議会長が認めた共進会、共励会又は研究会に地区を代表して出品したものも同等の扱いとする。また、輸出用は米沢牛銘柄推進協議会が認めたと畜場とする。

4.生後月齢32ヶ月以上のもので公益社団法人日本食肉格付協会が定める3等級以上の外観並びに肉質及び脂質が優れている枝肉とする。

5.山形県の放射性物質全頭検査において放射性物質が「不検出」であるものとする。

(米沢牛銘柄推進協議会「米沢牛の定義」より抜粋)

神戸牛

「神戸肉・神戸ビーフ」とは、兵庫県産(但馬牛)のうち、未経産・未去勢であり、枝肉格付等が次の事項に該当するものとする。尚、神戸肉・神戸ビーフをKOBE BEEF、神戸牛(ぎゅう)、神戸牛(うし)と呼ぶことができる。

1.歩留・肉質等級:「A」「B」・4等級以上を対象にする。

2.脂肪交雑:脂肪交雑のBMS値6以上とする。

3.枝肉重量:雌は230㎏以上から470㎏以下とする。去勢は260㎏から470㎏以下とする。

4.その他:枝肉に瑕疵の表示がある場合は、本会が委嘱した畜産荷受会社等(委嘱会員)がこれを確認し、「神戸肉・神戸ビーフ」の判定をする。

(神戸肉流通推進協議会「神戸肉・神戸ビーフの定義」より抜粋)

松阪牛

  • 黒毛和種、未経産の雌牛。
  • 松阪個体識別管理システムに登録されていること。
  • 松阪牛生産区域(旧22市町村)で肥育期間が最長・最終であること。
  • 生後12か月齢までに松阪牛生産区域に導入され、導入後の移動は生産区域に限る。

(松阪市ホームページ「松阪牛の定義」より抜粋)

今注目のブランド牛はこちら

注目のブランド牛

良質のタンパク質が豊富でジューシーな牛肉は、世代を問わず人気が高く、肉ブームが衰えることはありません。次に、今グルメの間で注目されているブランド牛を紹介しますので、メニューに取り入れるときの参考にしてください。

前沢牛

肥育地は岩手県奥州市前沢区。きれいな水、内陸性の穏やかな気候、肥沃な大地は良質の米どころです。そこから作り出される稲わらや干草、穀類を飼料として育てられた前沢牛は、肉質がやわらかく、ほんのり甘味があるのが特長です。

黒毛和種。歩留等級はAまたはB。肉質等級は4以上。 (前沢牛の定義より)

仙台牛

肥育地は宮城県域。ササニシキやひとめぼれなどのおいしい米の稲わらで育った仙台牛は、数々の受賞経験のある、全国でもトップクラスのブランド牛です。霜降りと赤身のバランスが絶妙で、肉質はきめ細かくて口当たりがよく、上品でまろやかな風味と豊かな肉汁を堪能できます。

黒毛和種。日本食肉格付協会枝肉取引規格が、A5またはB5に評価されたもの。(仙台牛の定義より)

尾花沢牛

肥育地は山形県尾花沢市。日本有数の豪雪地帯で、冬はマイナス10度以下にもなります。牛は極寒から身を守るために脂肪を蓄えます。奥羽山系の豊かな自然環境で育った尾花沢牛は、肉がやわらかく、脂は口に入れると溶けるまろやかさがあります。

黒毛和種の未経産雌牛または去勢牛。日本食肉格付協会が定める3等級以上のもの。(尾花沢牛の定義より)

佐賀牛

肥育地は佐賀県域。ストレスを与えない牛舎環境で、愛情と熟練の肥育技術で育てられています。霜降りがきめ細やかで「艶さし」と呼ばれるほど美しいのが特長です。脂もほどよい脂っこさで、和牛特有の甘みが引き立ちます。

黒毛和種。日本食肉格付協会の定める5等級及び4等級のBMS.№7以上とする。(佐賀牛の定義より)

石垣牛

肥育地は沖縄県石垣市八重山群島内。さんさんと降り注ぐ陽光を受けて1年中青々としている草地と、起状のある土地に蓄えられた豊な水は、和牛の繁殖経営に適した条件がそろっています。石垣牛のサーロインは、とろけるような食感で、一度食べたら忘れられないと味といわれます。

黒毛和種。日本食肉格付協会の定める歩留等級A・B、肉質等級5・4とする。(石垣牛の定義より)

まとめ

ブランド牛の焼肉

いかがでしょうか?

ブランド牛の格付や表記の見方、定義といった基礎的なことについて説明してきました。ブランド牛をメニューに取り入れる場合は、だれもが知っている三大和牛にこだわるのもいいですが、最近はヘルシー志向で霜降りより赤身を好む人も増えています。また、A5とB5とランクは異なっても限りなくA5に近いB5もあり得ます。当然、B5のほうがコスパはよくなります。そうしたことも考慮して、ただランクにとらわれるのではなく、おいしくてよりリーズナブルな肉を提供するために、この基礎知識を活かしていただきたいと思います。

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