ビールはワインのように、作られた年代やビールの品種など、ワインではよく語られるうんちくが語られにくいお酒です。しかし、ビール好きな人からすると、ビールを飲むタンブラーによって喉越しや味わいが違うとされます。ビールは他のお酒と違って、「泡」も魅力の1つです。繊細なビールの泡にとっては、ビールを注ぐタンブラーの違いがそのできに大きく影響を与えるのも事実です。
そこで今回は、ビールを美味しく飲むための知識であるタンブラーについてご紹介いたします。お店で美味しいビールを提供するためにも、この記事をぜひ役立てて下さい。
ビールタンブラーとは
タンブラーというのは、簡単に言えば飲み物を飲むためのガラス製のコップのことを言います。この意味で言えば、ビールタンブラーは文字通りビールを飲むためのガラス製のコップということになります。しかし、日本ではビール用タンブラーはガラス製だけではありません。プラスチック製のフタがついていて、保温性と密閉性のあるものもビールタンブラーとして使われることもあります。
ビールタンブラーによく似たものに、ゴブレットという器があります。ゴブレットは、飲み物を飲むためのグラスに足のようなものがついた器になります。ゴブレットもガラス製だけではなく、ステンレス製や陶器のものもあります。
ビールタンブラーでビールの味が変わる?
ビールを飲むだけなら、どんなタンブラーでも同じだと思われるかもしれません。しかし、実際は違うのです。このことについて、ビールをウリにする飲食店なら大変気になるところでしょう。
前章でご説明したとおり、私たちはタンブラーというものを定義通りに理解したり、使ったりしているものではありません。そこで、ビールを美味しくいただくために「ビールを入れて飲む器」という考えから、ビールタンブラーという位置づけで器を見ていきましょう。
さて、ビールを実際に飲む場合、タンブラーの種類によって味は変わるのでしょうか?私たちがビールを飲むときに一般的に使用しているのは、ジョッキやお水を飲むときに使うようなコップ、ステンレス製のもの、陶器製のものなどがあるでしょう。これらのタンブラーの違いには、その素材の違いがあります。
注目すべきは素材だけではありません。タンブラーごとの形状の違いにも着目しましょう。ビールタンブラーには筒状のもので上部と下部の太さがあまり違わないタイプと、上部が広く、下部にしたがってすぼんでいくV字型のタイプ、ワイングラスのように丸味を帯びたタイプのものが考えられます。ビールタンブラーごとの素材と形状の違いによって、ビールの味わいが変わるのです。
おすすめのビールタンブラーは?
ビールタンブラーにはいろいろな種類があります。どのような違いがあるのか細かく見てきましょう。
素材の違い
ガラス製
ジョッキといわれるものは、ガラスの厚みがあり、保温性に優れています。ビールの冷たさを逃がしにくく、一気にビールを飲むときの楽しみがあります。ビールの色や泡の具合を自分の目で見ることができるので、ビール好きにはたまりません。
ビールの喉越しを味わいたいと思うお客様が来店するお店では、ガラス製のビールタンブラーほうが喜んでもらえます。ガラス製のビールタンブラーの中で有名な種類をご紹介します。
有名どころの一つであるピルスナーグラスです。ピルスナーグラスはバーなどでは最も一般的に使用されているタイプの、細めで背の高いグラスです。手で持つ部分が一番細く、そこから上の部分はストレートラインで広くなっているのが一般的ですが、飲み口が少し細くなっているものもあります。
フルーティーな白ビールを飲むときに最適なのは、ヴァイツェングラスです。ピルスナーグラスに似て背が高いグラスですが、底の部分が細く、飲み口に丸味を帯びているのが特徴です。
パイントグラスも有名です。パイントとはイギリスにおける量の単位のひとつで、1パイント568mlになります。ブリティッシュバーやパブなどでよく見られるタイプになります。サイズが大きいので、日本ではハーフパイントグラスのほうが好まれます。ハーフパイントは568mlの半分となると284mlですが、特に決まっているというわけではなく、285mlから340mlくらいの容量のグラスのことと考えましょう。
陶器製
陶器製のタンブラーも保温性に優れているので、ビールがあたたかくなりにくいとされます。また、表面に細かな穴があるので、ビールの泡が細かく豊富になるという利点もあります。ゆっくりとお酒や食事を味わってもらいたいお店は、陶器製がおすすめです。
ステンレス製
ステンレス製のものは、口をつけたとき、独特のヒヤっとした感触があり、それが好きだという人がいます。ただ、金属の味が伝わるので好き嫌いが大きく分かれるようです。
かたちの違い
V字タイプ
形状の違いから見てみると、V字タイプは下から上に圧力がかかりやすく泡立ちがよくなります。泡立ちがよくなるということは、見た目だけでなく、ビールの香りも楽しみやすくなるという利点があります。
丸型
丸味のあるグラスは注ぐ際、ビールがグラスの中でグルっと対流してくれます。その上でビールの泡がキャップのようになり、ビールの風味を閉じ込めてくれるのです。このことから、ワイングラスやブランデーグラスが丸味を帯びている理由がお分かり頂けると思います。このようなグラスでビールを飲む場合は、静かに、そして少なめに注ぎながら、香りを楽しむような飲み方が向いています。
ストレートライン
ストレートラインのタンブラーは、泡が多く立たせず注ぐことができるので、風味というより、ビールのすっきりした清涼感や味わいを楽しむことができるという利点があります。
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ビールタンブラーを選ぶコツ
ビールタンブラーを選ぶ場合は、サイズ選びも必要です。
市販されているビールタンブラーは 285mlから400mlが一般的ですが、人気があるのはそれより小さ目のものです。 お店で使う場合は、これらのことを考慮しましょう。
ただし、容量や素材、形状によってビールの味わいが変化するとご紹介しました。しかし、一番影響が大きいのは、ビールタンブラーがお店の雰囲気や、お客様がお店でビールを楽しむときに求めるニーズに合っているかどうかということです。
つまり、どういったタンブラーを選ぶかは、お店の雰囲気や提供する食事などとの相性を考えることになります。ゆっくりと食事もお酒も味わえるお店にしたいのであれば、丸味を帯びたタイプでも良いでしょう。しかし、大勢で宴会などを行うお店では、泡立ちを抑えてすぐに乾杯できるということで、ストレートタイプが向いているということになります。
また、生ビールを提供することが多い居酒屋などではジョッキタイプ、おしゃれなバーやパブではピルスナータイプ、レストランなどはパイントグラス、日本食をいただく場合は陶器製のタンブラーがおすすめです。
このように、自分の店舗のターゲットやコンセプトに合わせたビールタンブラーを選ぶようにしましょう。
まとめ
いかがでしょうか?
ビールを提供するグラスは、ガラス製のビールジョッキだけではありません。さまざまなビールタンブラーがあり、店舗の雰囲気や用途によって選ぶ意味があるということをお分かりいただけたかと思います。
ビールタンブラーにまでしっかりこだわり、美味しいビールでビール好きを虜にしましょう!
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