ビールの注ぎ方にこだわって美味しいビールを提供しよう!

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美味しいビールで乾杯

仕事終わりの一杯と言えばビールという方が多いのではないでしょうか。会社の帰りに飲むビールは格別で、そのために仕事をしていると豪語する方もいるかと思います。特に上手に注がれたビールというのは黄金色に輝き、味もひとしおです。

そんな極上の一杯を提供するのは飲食店に勤められている従業員の方々。どんな業態のお店でも、お酒を取り扱っていればビールを提供する割合は相当多いはずです。特に日本ではとりあえず駆けつけビールで一杯という風潮があるので、ビールの注文比率は高いと思われます。

提供する際に飲食店従事者の皆さんは“本当に美味しいビール”を提供出来ているでしょうか?単純にグラスに注いでいるだけではありませんか?自分が飲むわけではないからとクオリティに無頓着ではありませんか?

それでは、仕事帰りの渇きに飢えたサラリーマンの喉を、入れ方から液体と泡の対比まで気を使った極上の一杯を提供しているお店に打ち勝つことは出来ません。少なくともビールの出来が雑なお店にビール目当てで再び来店するということはありません。

そこで今回は注ぎ方ひとつで味が変わるビールの上手な入れ方をご紹介します。ビールを取り扱っている飲食店必須の内容となっています。

美味しいビールは注ぎ方が重要

ビールで乾杯

まず、ビールはどんな入れ方をしても味は一緒だと思っていませんか?実はビールというのは大変繊細で、注ぎ方一つ取ってものど越しや口触りが変化してきます。

これは体感で適当に言っているのではなく、しっかりと科学的な証拠があるのです。あの有名な飲料メーカーKIRINがこんな研究結果を公表しています。

香りと味の違いを科学で解明!「三度注ぎ」のビールはなぜおいしいのか

http://www.kirin.co.jp/company/rd/result/report/report_020.html

リンク先では、ビールの大家ドイツやチェコの伝統的な注ぎ方である三度注ぎを紹介。ビール独特のホップ由来成分に着眼点を置き、科学的観点からどうしておいしくなるのか?ということを説明しています。

簡単にその仕組みを解説すると、三度に分けて注ぐことにより炭酸ガスが抜けやすく、しかし、泡のふたによって香りとうま味を閉じ込めるので、時間の経過とともに香りが立って苦味が程よくなります。

一度で注いだビールと比較した場合、記事中のグラフを見てもわかる通り、三度注ぎは当初こそ香りが抑え目なものの、5分後、15分後には一度で注いだものと数値が逆転し、長い時間香りが楽しめることがわかります。

ビールの注ぎ方「ビール編」

ビールのアップ

注ぎ方次第でビールの味が変わることはお分かりいただけたと思いますが、実際にどうやってビールを注げばいいのでしょうか?

天下のKIRINが提唱する方法は若干慣れが必要なうえ、営業時には時間のかかる方法なので、今回は誰でもすぐにできる黄金比率、液体7、泡3の法則が可能な方法をお教えします。

まずは液体であるビールを注ぐ際は、グラスのふちに沿って静かに注ぎます。注ぎ口をグラスの壁面につけ、液体が伝って流れるようにするのです。この時、斜めにグラスを傾けるのがコツです。

容量はだいたいグラスの半分を目安に入れてください。ジョッキ型である場合はとっての真ん中を目安にするとよいでしょう。泡は後述するやり方で後で作るので、この時は出来るだけ液体だけを注ぐイメージで入れてください。

ビールの注ぎ方「泡編」

泡がきれいなビール

次に液体を注ぎ終えたら、泡を作っていきます。

最初はさきほどと同じように、壁面に伝うように二度目を注ぎ始めます。8割入れた頃からビール缶や瓶を少し上部へ持ち上げて液体が落ちるようにし、最後まで注ぎ入れます。

そうすると落下した容量分泡ができ、残り2割を入れ終えた頃には液体7、泡3の黄金比率の完成です。三度注ぎで言うと、落下して注ぐことによって炭酸を抜くとともに泡を作ってふたをするというわけです。あまり長く落とすように注ぐと誤って泡がこぼれてしまうこともあります。特に接客時には勢いあまってこぼしてしまうと苦情になりかねないので、気を付けながら注いでみてください。

この方法はビールサーバーで注ぐ場合にも応用が可能です。ビールサーバーの場合は、7割ほどまで同じく液体を壁面に沿って静かに入れ、残りは裏ごしを使って泡を入れれば完成です。ビールサーバーで注ぐ際も最初から泡が立ってしまわないように、なるべく静かに注ぎ始めるのがコツです。

美味しいビールはグラスも関係する!?

グラスとビール

美味しいビールの注ぎ方がわかったところで、もう一つビールを美味しく提供するための要素を紹介しましょう。

それはどんなグラスでビールを提供するかということです。早い話が要望に応じたグラスでビールを提供するということです。

たとえば、ビールと言えばビールジョッキですが、小ぶりで下部が湾曲して細丸形が特徴的なビアーグラス、冷温が長く保て、肌で清涼感を楽しめるサーモタンブラーなど、中身以外にも多様にビールを楽しめる店づくりが大切です。

また、グラスによってビールの味が変わるという結果も出ています。

日刊ゲンダイ 「ビールの味はグラスで変わる」は本当なのか?専門家に聞く

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/161437

改めて簡単にその理由を説明すると、ビールジョッキ独特の保温性能で冷たいまま飲むことが可能であったり、ビアーグラスのように下部が細くなっているものは、上方に向かって圧力がかかるため、泡立ちが良くなるといった理由があります。このようにどんなグラスで提供するかということも美味しいビールを出すためには必要不可欠な要素です。

まとめ

美味しいビールの注ぎ方を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

何となく美味しいビールが体感で分かっていても体系的に理解しているかどうかはまた別の話です。100%の再現度で、どんな顧客にもハイクオリティで提供できなければ意味がありません。美味しくなる理由を知ったうえで、紹介した注ぎ方をしっかり実践すると、極上のビールを安定して提供することができます。

ぜひ、従業員の方に注ぎ方をレクチャーする際は本記事を参考にして、如何に注ぎ方一つで味が変わるのか、一口にビールと言っても奥深い要素があることを教授していただければと思います。